現在位置 ホーム > 文化活動・観光 > 文化芸術 > とりでオンライン美術館 > 日本画2(とりでオンライン美術館) > 「忘れないように」
ここから本文です。
忘れないように(JPG:2,543KB)(別ウィンドウで開きます)
(注意)画像の無断転載および無断使用はご遠慮ください。
(注意)常設の展示ではないので、展示日時については文化芸術課にお問い合わせください。
私は心から描きたいものを探すのはとても大変だと思っていて、例え描きたいものが見つかったとしてもそれを愛情込めて長時間描くことができるかというとそれも難しいと感じています。そこで自分の記憶の大切な部分を担っている台湾なら何か見つかるのではないかと思い、取材に行くことにしました。かつて住んでいた場所へ行って強く感じたことは決して時は戻らないということです。毎日が楽しくて世界との遠さとは無縁だった場所は廃れていました。住んでいた高雄から少し離れ、台南の安平樹屋というところへ足を運び、ガジュマルの木に飲み込まれていく廃墟を見てここを描こうと決めました。もう戻らないものを飲み込み新たな記憶を編んでいくその時の自分と重なるところが多くあったからです。一本の木からいくつも伸びる気根が土台や自分自身に複雑に絡みつき様々な形を織りなす様子は見ていてとても面白く、そして美しいと思います。その静謐な美を表現したいと思いました。
岩絵具は粒子感の強い絵具なのでグラデーションを綺麗に作るのが難しかったです。また、絵具を重ねたり削ったりすることでさまざまな表情を見せてくれる画材なので最終的に白くなる部分でも下には派手な色を仕込んでいます。絵具の深みを出すのに苦労しました。描いている紙もF150号という大きな和紙なので和紙自体が水を吸ったり吐いたりするたびにパネルが歪み、描くのが大変でした。じっくり岩絵具の綺麗な質と向き合える制作時間はとても有意義でもあったと思います。
取手市長賞作品の一覧は以下のリンクからご覧いただけます。
取手市長賞(美術分野)
「とりでオンライン美術館」では、この作品の他にも取手市が所蔵する美術作品をたくさん掲載しています。是非ご覧ください。