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取手市では、2016年から日本回想療法学会に委託し、「回想法スクール」を実施しています。楽しくおしゃべりすることで認知症の予防に寄与しています。
日本回想療法学会では認知症に関して、「加齢により脳細胞が減少し、それによって生じる記憶減少を起因とした生活障害」と定義づけています。一般的に加齢に伴い、まず短期記憶を担う「海馬」の機能が低下します。長期記憶を担う「大脳細胞」に蓄積された情報は消失しにくいですが、80歳では20歳に比べて大脳細胞は60%程度になると言われています。
認知症予防のためには大脳を活性化し、脳内血流量を増やすことが大切です。脳機能の研究において、運動や計算以外にも、おしゃべりや仲間とのコミュニケーションが重要な要素と示されています。
運動だけだと、脳の刺激が不足し脳の機能維持にはならないため、体と同時に頭にも刺激を与えることが大切です。
加齢による脳細胞の消失を止めることはできませんが、生活行動に必要な脳機能を残存させることは可能です。ここに注目したのが回想療法です。10歳から15歳の記憶の中にADL(日常生活行動)記憶と呼ばれる記憶群があり、このADL記憶群が消失することで生活障害(認知症)が発症します。
子どものころの話題で楽しくおしゃべりすることで、生活を維持するために必要な「記憶」の消失を軽減する、ということが回想療法の考え方です。
参加者とボランティアアシスタントを同時に募集しています。1クール12回(ボランティアアシスタントは13回)実施しています。1年に2クール(夏:福祉交流センター・冬:藤代公民館)実施をしており、開催前には広報とりでやホームページでお知らせします。
毎回テーマに沿ったおしゃべりを実施し、昔の生活や記憶を思い起こしながら言語化することで、大脳全体の活性化を図ります。対象者は、市内在住で、65歳以上のかたです。
講師からおしゃべり回想法のテクニックを学び、レミニン(参加者)が昔の記憶を思い出して楽しくおしゃべりをするサポートをしています。対象者は、市内在住の20歳以上で、認知症予防の取り組みに興味があるかたです。
指の体操で、脳内血流量を上昇させます。
小グループでテーマに沿っておしゃべりを実施します。ボランティアアシスタントがグループに入り、回想療法のテクニックを活かしながら楽しくおしゃべりをしています。
記憶は、右脳に映像イメージとして記憶保持されており、その映像が左脳へ送られて言語化されます。加齢に伴い、左脳の言語機能が低下する一方で、右脳の映像イメージ記憶は消えにくくなっています。しかし、認知症の進行で、右脳の映像イメージが弱くなるため、映像イメージ記憶を残すことが重要になってきます。そこで、レミニンのイメージが広がるようにおしゃべりを展開していきます。
「回想法おしゃべり五ざる」を意識して、話をはずませていきます。
回想法スクール事業は、特定非営利活動法人日本回想療法学会に事業委託をしています。
詳しくは、特定非営利活動法人日本回想療法学会ホームページ(外部リンク)(別ウィンドウで開きます)をご覧ください。