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わたくしたちは、利根川の豊かな流れと小貝川の清流、太陽あふれる広い空、澄んだ空気に恵まれ、歴史と伝統にはぐくまれた取手市民です。
わたくしたちは、取手をふるさとにもつことを誇りとし、みんなが心をひとつにして、明るく住みよい文化の薫るまちを築くため、明日への願いをこめて市民憲章を定めます。
この前文では、取手市の恵まれた自然環境と歴史と伝統に注目して、市民憲章の基本精神をおさえ、将来の望ましい市の姿を表現しました。
旧取手市及び旧藤代町はともに自然に恵まれ、西に富士の霊峰を望み、北に筑波の紫峰を仰ぎ、旧両市町を流れる利根川・小貝川の二大河川は、私たちの生活に密着した大自然です。
利根川の豊かな流れ、小貝川の紫水の如き清流は、両市町の大自然を象徴し、東京近郊からわずかの時間を隔てて広がる関東平野の強い印象を「太陽あふれる広い空と澄んだ空気」と表現してあります。
また、現在住んでいる市民や取手市に住んだことのある人が、取手市をふるさととして、いつまでも心の支えや誇りとして欲しいとの願いを込め、新市ビジョンの活き活きリビングタウンを、明るく住みよい文化の薫るまちづくりの目標としていこうと、11万3千余人の願いを込め、市民憲章を定めることとしたことを表現しています。
わたくしたちは、
取手市は、昔から自然環境に恵まれています。反面、この自然は私たちに突如として牙をむいてくることもありますが、むしろ自然との共存はお互いを最大限生かすことから始まります。今、地球環境の保全が叫ばれる中、環境の保全を目指すことは、非常に大切なことです。自然を心から愛し、大切な自然の水と緑をまもり育てていくことは、あらゆる生命にやさしい環境をつくることにつながり、私たちの最大の使命であることを表現しています。
この条文では、市民一人ひとりに関する知・徳・体の調和のとれた人間性や社会の豊かな形成を目指しています。
青少年の健全育成はもとより、余暇を利用してのボランティア活動や自治会活動、生涯学習などへの積極的な社会参加も望まれます。また取手市は健康づくり都市宣言をしていて、スポーツや適度な運動、食生活の改善等を通じて、丈夫な体をつくり、自らの健康は自ら守ることの大切さを強調しています。
さらには、趣味や芸術などに触れることにより教養を高め、楽しく心豊かな生活が送れることを目指して表現しています。
新市市民憲章条文の中でも、最も強調したいひとつです。
新市取手市が11万3千余人と大変大勢の市民がいることから、ややもすると個人個人が自己中心的な行動に陥りやすくなります。私たち一人ひとりでは小さくても、皆が力を合わせ、助け合い、お互い相手への思いやりを持って尊重し合い、人の和を広げることで大きな力となり、安心して暮らせるまちを築いていくことが大切です。私たちの住むまちが、このような新市取手市でありたいとの願いを込めて表現しています。
家庭は最小のコミュニティーであり、家族が集うやすらぎの場でもあります。都市化は一方で、家庭の崩壊や一人暮らしが増えることも事実ですが、家庭を愛することは、親と子の絆を深め、第3条でもうたわれているように、たとえ一人暮らしでもご近所を大切にし合うことは、最小のコミュニティーをも形成します。
また、家庭内でのきまりは、社会で最小限のきまりです。この家庭からのきまりは社会の大きなきまりの礎であり、社会人としての規範意識を高め、きまりを守る大切な心を育てます。一人ひとりが勤労・勤勉であることは豊かな社会、地域形成において最も必要な要件の一つです。
一方、勤労の心は、社会奉仕にもつながることを考えるとき、魅力あるまちづくりに不可欠な願いです。
平和な社会はだれでもが願うことですが、時として人は家族を離散させ、人の最も大切な命を奪う愚かさをもっています。このようなことを二度と繰り返すことがないように、取手市は昭和60年に非核兵器平和都市を宣言し、全市民が世界恒久平和を希うことを誓いました。また、この平和は心の平和をも意味しており、平和な市民生活が営まれることを、大切にする願いを込めています。
さらに、新市はあらゆる文化芸術・伝統を尊重し、大切に育て、自主自立的なまちづくりの確立と産業の発展など、なお一層活力あるまちづくりに向け、11万3千余人の市民の「希望と夢」に願いを込めて表現しています。