現在位置 ホーム > 月・木・SAY 職員のささやき > 市長・副市長・教育長 > 副市長 伊藤 哲 > 【埋蔵文化財センター企画展】足元から紐解く取手宿の歴史(副市長 伊藤哲)
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副市長の伊藤哲です。春の暖かさを感じる好季節となりましたが、皆様はいかがお過ごしでしょうか。
さて、先日、取手市埋蔵文化財センターにて開催中の企画展「近世を掘るー地下からわかる取手宿ー」を拝見いたしました。
本市の中心となる市街地は、近世において水戸街道の宿場町として発展した歴史を有しております。今回の企画展では、平成24年と平成26年に茨城県教育財団が実施した取手宿跡の発掘調査を中心に、市内で行われた近世の発掘調査の成果が展示されておりました。
発掘調査の出土品には、19世紀頃の日用品の陶磁器に加え、寺院の存在を思わせる瓦や仏花瓶などもありました。また、熱により変形したと思われるガラス製品などからは、現存する資料には記録のない火事の形跡が分かり、発掘調査の重要性を改めて認識させられました。
写真は、取手市教育委員会で所蔵している「取手大鹿入会疎絵図(とりで おおしか いりかい そえず)」であり、今回の発掘調査区で検出した遺構とほぼ同時期に作成されたものになります。
絵図に描かれた水戸街道の中央付近には、現在も鎮座する八坂神社が「天王社」と記されており、その付近には現在の念仏院あたりと推測される建物も確認できます。さらに、絵図にある水戸街道沿いには、多数の宿場が印されていました。出土品だけでなく、こうした絵図や古文書といった文献からも、宿場沿いに住まう人々の息吹が感じられ、当時の宿場での生活やその景観を思い起こすことができました。
企画展「近世を掘るー地下からわかる取手宿ー」は令和7年4月20日(日曜日)まで開催中です。市民の皆様におかれましても、この機会にぜひ取手市埋蔵文化財センターへ足をお運びいただき、我々の足元に眠る歴史に触れてみてはいかがでしょうか。